神殿は、第三の試練「神の試練」を迎える朝、厳かな空気に包まれていた。
試練の場は神殿の最奥にある桜ノ神の聖域――巨大な桜の木が天を突く、神秘的な空間だった。
残った数人の娘たちは、桜の木の周囲に設けられた石舞台に立ち、桜ノ神の意志を直接受ける試練に挑む。巫女長の紫苑が静かに告げた。
「この試練は、汝らの心の強さを試す。桜ノ神の聖域は、偽りの心を暴き、真の神子を見極める。恐れず、自らの魂を神に捧げなさい」
葵は純白の着物をまとい、緊張で手を握りしめた。最初の試練で桜の木を輝かせ、第二の試練で神の声に応えた彼女だったが、心のどこかでまだ自分を疑っていた。
「私なんかが…本当に神子になれるの?」
だが、焔夜の声と彼の温かい微笑みが、彼女の心に勇気を灯していた。



