そして、年月は流れ……白雪の命が尽きる時が訪れる。 静かな春の日。夜暁尊の腕の中で、彼女は眠るように瞳を閉じた。 「……あなたと生きて、本当に幸せでした」 「白雪……白雪……そなたが、この神の生を救ってくれた」 夜暁尊は、長き神の時のなかで初めて涙を流した。その涙は、白雪の身体の上で光となり――白い桜となって咲いた。 それは、暁の花と呼ばれ、神域の春にだけ咲く神聖な花となった。