⚪︎穢れ神の裁きと姉の末路



 神域を侵し、神々を傷つけた罪。
 かつて白雪の姉であった美鶴は、重き罰を受けるはずだった。

 「穢れ神と結託し、神域を乱した者に死を」

 神々は冷酷に告げる。だが、白雪はその前に立った。

 「姉様は、もとよりその力にふさわしい者ではなかったのです。心が傷つき、壊れていただけ――。罰を与えるより、どうか、生きて償う道を」


 夜暁尊もそれに続く。


 「私の名にかけて保証しよう。彼女の命は、我が神域にて封じられ、穢れが二度と目覚めぬよう管理する」

 神々は沈黙の後、それを認めた。
 こうして、美鶴は記憶の一部を封じられ、
 神域の端、白花の咲く庵にて静かに生きることになった。

 白雪はその姿を見つめ、ひとつ、心の重荷を下ろした。