桜花の調を貴方に。



 怜司は、珠緒と悠真の親密さを目の当たりにし、複雑な思いを抱いていた。

 優桜院の宮廷では側近は主君への忠誠を第一とし、私情を抑えるのが鉄則だった。
 だが、珠緒の気高さと優しさに、怜司の心は揺れていた。ある夜、珠緒が宮廷の長い廊下で迷っていると、怜司が現れ導いてくれた。

「君はいつも、どんな時も気品を失わない。それが君の強さだ。」

 彼の声には、秘めた想いが滲んでいた。
 珠緒は彼の眼差しに感謝しつつ、悠真への愛が心を占めていることに気づいた。

「怜司様、いつもありがとう。」

 彼女の笑顔に怜司は静かに頷き、「君を守る。それが私の役目だ」と心で誓った。