その夜、珠緒は和歌を詠むよう求められた。彼女は即興で詠んだ。
【 桜咲く 庭の調べに 春風そよぐ 心寄せる 君の瞳に】
悠真は感嘆し、返歌を贈る。
【春風に 響く調べは 君の心 寄せる思いを わが胸に留む】
このやり取りに貴族たちはざわめき、珠緒の教養と気品を称賛した。
美桜は嫉妬に顔を歪め、叔母・華江は冷たく珠緒を睨む。
宴の後、怜司が珠緒に寄り添い、言った。
「東宮が君に心を奪われた。だが、宮廷は嫉妬の巣だ。気をつけなさい」
彼の眼差しには、側近としての冷静さと、秘めた想いが混ざっていた。
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