怜司は珠緒を救うため、清桜家の古い記録を調べ上げた。彼女が正真正銘の嫡子である証拠を入手。

 さらに、宗綱が家督を不当に奪った事実を暴き宮廷に提出した。悠真の支持もあり、宗綱と美桜は追放され頼忠も影響力を失った。

 怜司は珠緒に微笑み、言った。


「君はこれで自由だ。幸せになってくれ」


 その言葉に珠緒は彼の秘めた愛に気づき、感謝の涙を流した。


「怜司様、あなたの支えがなければ、私はここまで来られなかった」


 怜司は静かに頷き、彼女の幸せを祈りながら宮廷を去る準備を始めた。