宮廷の「秋の演奏会」は、貴族たちが琴や笛で技を競う重要な行事だった。
珠緒は悠真の要請で参加したが、頼忠の息のかかった女官が琴の弦に細工を施した。
演奏中に弦が切れ、珠緒は辱めを受ける寸前だったのだが怜司が事前に細工を見抜いたため琴を交換。
珠緒は「桜花の調べ」を完璧に奏で、会場を感動の渦に巻き込んだ。
悠真は立ち上がり、珠緒の手を取り、宣言した。
「清桜珠緒の才と気品は、皇室にふさわしい。彼女を害する者は、私に敵対するものとみなす。」
この言葉に、頼忠と宗綱は青ざめ、貴族たちは珠緒を新たな妃候補として認めた。美桜は悔しさに震え、華江は無力感に苛まれた。



