白銀の妖王は、笑わない少女陰陽師を恋う。

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「青い空! 白い雲! 本日も快晴、お買い物日和ですよ、紫陽様!」


 朝から元気よく部屋にやってきた杏の声で、紫陽は目を覚ました。

 涼風家にいた頃の習慣で、紫陽は毎朝ほぼ同じ時間に目を覚ます。つまり彼女の声に起こされたということは、今朝はずいぶんと来るのが早い。


「おはようございます……」


 目をこする紫陽の前に、杏はばさっと何かを広げる。何かと思えば、紫陽はあまり着ないような派手な柄の着物だった。


「これは?」

「いやあ、実は紫陽様の服を買いにいくための服がない! 状態でして。とりあえずあたしの服の中から一番上等なものを持ってきました。好みではないかもしれませんが今日のところはこれで。さあ張り切って準備を始めますよ!」

「こんな早くから、ですか?」

「ああそっかすみません。朝餉が先ですね!」


 それを気にしているわけではないと紫陽が言う前に、杏は厨房に向かって走っていく。

 紫陽は長い髪を紐で簡単にくくりながら、そうか今日は城下町へ出て買い物をするのだという話だったと思い出す。


(だけど、買い物に行くだけで何故そんな上等な服を?)