「そっか。じゃあ糸はどうやって、今よりも人生を楽しくするの」

「うん、それでね、琉真に相談なんだけど」

「俺?」

「この前言ってくれたことって、まだ有効期限、大丈夫ですか?」

「この前って…二人で壊れない恋愛を証明してやろうってやつ?」

「はい」

「それは…もちろん全然、ウェルカムだけど。糸はそれでいいの?」

「最低なこと言ってるかもしれないって自覚はしてる。こーちゃんを守る為に琉真を利用しようとしてるのかもって。こーちゃんのことはずっと大切だし、守っていきたい。もしかしたら私…こーちゃんより好きで大切にできる人なんて一生現れないかもしれない。琉真と関係を築きながら、こーちゃんから離れることができるかも分からない。すごく最低なこと宣言してるよね…それでも…」

「それでもいいよ。糸の中で、彼との恋愛を捻じ曲げてでもどうにか一緒に居られる方法を探した。彼に幸せを教える為に。誰かの為に形を変えなきゃいけなかった糸の心を戻す権利を、糸はまだ持ってるんだよ。今は悲しくて、今の自分なんて底辺だって思うかもしれない。でも糸はいつか絶対に幸せになれるよ。誰よりも幸せなんだって笑えるようになるから、その為のお手伝いならさせてよ」