「雪って本当は汚いんだよ!食用じゃないんだからね!?」

「分かってるよー。でも誰だってやってみたいって思ったことはあるだろ?」

「幼稚園児ならね!」

「いつまでも子ども心を忘れないでいたいよ俺は」

「開き直ることじゃないから。しかも子ども心と常識は違うから」

「厳しいなー糸ちゃんは」

「心配して言ってるんでしょ!?お腹壊したくらいで良かったけど!」

「ありがと、糸ちゃん、優しいね」

紅華はずるい。
私が怒っていても、私の宥め方を誰よりも知っていた。
たった一回しか会ったことのない、人生の数時間分くらいしか関わっていない人なのに。