僕の雨になって

紅華はどうして自分は男性だと偽っていたのだろう。

″彼女″の話は沢山聞いてきた。

初対面で私が勘違いしたから、私にだけそうしていたわけではなくて、
紅華はずっとそうやって生きてきたということだ。

テレビや漫画、保健体育の授業でもそういう内容に触れたことはある。
でも身近では出逢ったことがなかった。

不思議だったのは紅華が女性だと知った今でも、
紅華への恋愛感情が失われていないということだった。

頭では解っていても心が追いついていないから?

頭でも心でも何も、理解なんてできていないのかもしれない。

本当はなんだっていい。
紅華がここに居てさえくれたらそれだけで。

女でも男でも、紅華との時間が嘘になってしまうわけじゃないから。

今、強く思うのは、私が本当のことを知ってしまったことで
私と紅華の間で感情の差が生まれてしまっていたらどうしよう。

″普通の恋愛″はできないからと、紅華の気持ちが離れてしまったらどうしよう。

それだけが怖くて堪らなかった。