僕の雨になって

「ねぇどういうこと?病院って」

「言ってなかったっけ。ごめん、手続きとかでちょっとバタバタしてたから。一昨日からね」

「病気なの…?」

「ちょっと肺弱ってんだってさ。俺、煙草も吸わないのに不思議だよなー」

「手術するの?」

「いや、今の状態なら手術まではしなくていいけど、もうちょっと放ってたら悪化してたんだって」

「なんで気づいたの」

「バイト中なーんかやたらしんどくて。別にいいって言ったんだけどオーナーからほぼ強制連行ですよ。そのまま検査入院」

「オーナーさんが居てくれて良かった…そっか…大丈夫なんだね。よかった…良かったぁ…」

「あはは。ごめんね、びっくりさせちゃって」

「死んじゃうかと思った」

「さすがにそこまでヤワじゃありません。でもごめん。ちゃんと話しとけば良かったね」

「手続きは親がしてくれたの?」

「いや、全部オーナーが」

「…へぇ。親身なんだね」

「保護者みたいなもんだよ」

「でも体悪いのなら尚更ちゃんと寝てなきゃ。抜け出したりしちゃだめじゃん。見つかったら怒られちゃうよ」

「だって糸ちゃんの声聴きたかったんだもん」

「そうやってまたずるいこと言ってもだめです。電話なら病院の中…ではあんまできないか」

「うん。敷地内での軽い散歩くらいだったらできるけどね。スマホの使用は他の患者さんも居るからなるべく控えないと」

「だからって脱走はやり過ぎだよ」

「はぁい」