僕の雨になって

「こう…なんて言うの?心臓の奥のほう、一番だいじな部分は変わんないっていうか。感覚よ、感覚。言語化できません」

「は?」

「こーちゃんのせいにしてるけどさ、私だってたぶん怖がってる。恋人になって、いつか終わりが来ちゃうことを」

「来ない恋人だっているよ」

「私も最初はそう言ったよ。でもこーちゃんはずっとそうだったから。見てたから、知ってるから」

「あんたのこと信用してないってこと?」

「そうじゃなくて。いつか信じられなくなることが怖いんだと思う。恋人なのに、一番の理解者で在るべきなのに、なんで心を一番そばに置いてくれないんだろうとか…。でもそれが友達ならしょうがないかなって…逃げだけど、言い聞かせられることもきっとあるでしょ。ずるいけど。そんなの建設的じゃないけど」

「糸、いつか言ってたけどさ。なーにが映画やドラマじゃない、よ。あんた達みたいな恋愛が現実にぽんぽん転がってたらしんどいわ。本人達は隠し玉持っといて彼氏彼女の立場にされるほうは大迷惑。ほんとに好きな人は別に居るってことでしょ。失礼過ぎ」

「彼氏作れって言ってたくせに」

「いとー。私、怒ってんだよ?分かってる?」

「…なんで時雨がそんなに怒んの」

「当たり前でしょーが!あんたのことがどうでもいいのなら本当にどうでもいいっつーの!親友をそんな風に扱われて平気なわけないでしょ!?糸だって平気なフリしてちゃだめだよ。もっと怒んなよ。自分をだいじにしなよ。あんたがそんなんされてんの悔しいよ」