僕の雨になって

なんにも分かってなんかいないくせに、
分かったフリをして絞り出した「分かった」の声は
自分で聴いても泣いているみたいだった。

「ありがとう糸ちゃん。俺、ずるいよね。糸ちゃんだけは失いたくなくてこうやって心を縛りつけようとしてるくせに運命なんて蹴り飛ばして糸ちゃんだけを守るからって言える勇気も無くて…。かっこ悪くてごめん」

「うん。こーちゃん、かっこ悪いよ」

「それ言っちゃうんだぁ」

「だってかっこ悪いもん。今までがどうだったとかさ、だからって私とのことまでそうなるってこーちゃんが勝手に決めないでよ。心外だよ。私となら大丈夫だって、運命なんて知るかって言ってほしいのに私に縋ってさ…」

「糸ちゃんの言う通りです」

「でも好きだから」

「うん…」

「こーちゃんのことが好きだから、今はまだ心が怖がって疑心暗鬼になるのなら私はこーちゃんが私を好きだって言ってくれた気持ちだけを信じて一緒に居てあげる。それでこーちゃんの世界が救われるのなら。私だけは何があってもこーちゃんの味方でいてあげる」

「何があっても、だよ」

「うん。何があっても」

「糸ちゃん、好きだよ。ほんとだよ」

「私も、こーちゃんのことが大好きです。私だけの幸せメーカーさんで居てね」