その日の紅華はなんとなく元気が無さそうだった。

「なんかあった?」

「んー…こんなん言うのダサいかもだけど…」

「うん」

「彼女と喧嘩した」

「それでそんなに落ち込むって、相当好きなんだね」

「まぁ…彼女なので」

私のバカ。
自分で地雷踏んでんじゃん。

「そうだよね…。原因は?何したの」

「なんで俺が悪い前提なのさ。…俺が悪いんだろうけど」

「ほんと、どうしたの」

「説明…ムズいな。価値観の違い?」

「ごめん、全然分かんない」

「だよね」

「仲直りできないの?」

「彼女がどうしても許せないのならムリだと思う。俺は俺のまま、変われないから」

「そんなに落ち込むくらいヘコんでんのに変われないの?彼女にだけ変わってもらう努力させるの?」

「気持ちの問題なら…」

「こーちゃん、全然分かんないよ」