「糸ちゃん、まだ時間大丈夫なら少しお散歩しよっか」

「いつものね」

「そうそう」

「中学生のデート、みたいなやつね」

「そうそう」

お腹いっぱーい!って二人でお腹をさすりながら歩いた。

「こーちゃん、体調は平気?」

「うん。今日はいつもより特に元気かも」

「あったかくて良かったね」

「糸ちゃんは晴れ女だからね」

「…名前だけね。だってこーちゃんと出逢った日は雨だったじゃん」

「俺が目覚めた時は快晴だったよ」

「気づいてたんだ」

「もちろん。これからずっと、糸ちゃんが雨で凍えたりしない毎日が続けばいいなぁ」

「こーちゃんもね」

噴水前広場に着いた。

平日の昼下がり。
子どもと母親のペアが何組も居て、
噴水の周りで遊んだりお弁当を食べたりしている。

その光景はとても穏やかだった。