二月中旬にしては穏やかな気候で、
澄んだ青空が気持ちのいい日。

紅華と一緒に海が見えるごちそうバーガー専門店へと行った。

木造でロッジ風の建物が西部劇のような雰囲気を醸し出している。

店内に流れるウェスタンミュージックが更に雰囲気を高めていて、
映画の中に飛び込んだみたいだった。

「糸ちゃん、好きなの食べてね。ご馳走します」

「こーちゃんに奢ってばっかりで悪いよ。それに退院祝いでもあるんだし」

「お世話かけたお詫びさせてよ」

「んー。そういうことなら」

「ありがと」

こーちゃんの手首には、あのブレスレットが光っていて、
ちゃんと直せたんだって想いと、これからもこーちゃんを守ってくれるように思えて胸が詰まった。

「ブレスレット、直せたんだね」

「うん。ネットで修理してくれそうなとこ必死で探したよ。一箇所切れただけだったから割りと早く戻ってきたんだ」

「良かったぁ」