「こうか…紅華ごめん紅華…こうかぁーっ!!!」
膝から崩れ落ちながら紅華を抱きかかえる兄の姿に琉真の怒りは収まらず、
けれどそんなことに構っている時間は無いことくらい分かっていた。
辛うじて保っていた理性と絞り出した平常心で救急に連絡。
同行した救急車がこの総合病院に到着して、
処置室へと運ばれていく紅華を見送ってからの記憶は曖昧だった。
おもむろにポケットに入れた指先が、カサカサと紙の感触を感じた。
紅華の部屋に救急車が到着するまでの間にリビングを確認している時に、
散らばった錠剤と、一枚のメモ用紙…とも言えないくらいの何かの紙を千切ったような言伝。
紅華の処置が済んで、致命傷には至っておらず、命に別状は無いことを知った。
適正量を超えた服薬の為に胃洗浄も行われた。
今後、病院側は紅華の精神状態によっては入院する診察科を相談していきたいとのことだったが、
しばらくはこのフロアでの入院が決まった。
自死行為、ということで個室を薦められた。
紅華の両親に連絡するわけにもいかず、琉真は未成年だから入院手続きは再び兄が行った。
それ以外には方法が無かった。
一人、暗いフロアで呼吸を繰り返す。
メモに書かれた文字を虚な瞳で見つめる。
見覚えのある番号の並び。
スマホに番号を打ち込むことはしないまま、
直接、スマホの連絡先一覧から「糸」をタップする。
登録された番号と、紅華の手書きの文字が重なった。
膝から崩れ落ちながら紅華を抱きかかえる兄の姿に琉真の怒りは収まらず、
けれどそんなことに構っている時間は無いことくらい分かっていた。
辛うじて保っていた理性と絞り出した平常心で救急に連絡。
同行した救急車がこの総合病院に到着して、
処置室へと運ばれていく紅華を見送ってからの記憶は曖昧だった。
おもむろにポケットに入れた指先が、カサカサと紙の感触を感じた。
紅華の部屋に救急車が到着するまでの間にリビングを確認している時に、
散らばった錠剤と、一枚のメモ用紙…とも言えないくらいの何かの紙を千切ったような言伝。
紅華の処置が済んで、致命傷には至っておらず、命に別状は無いことを知った。
適正量を超えた服薬の為に胃洗浄も行われた。
今後、病院側は紅華の精神状態によっては入院する診察科を相談していきたいとのことだったが、
しばらくはこのフロアでの入院が決まった。
自死行為、ということで個室を薦められた。
紅華の両親に連絡するわけにもいかず、琉真は未成年だから入院手続きは再び兄が行った。
それ以外には方法が無かった。
一人、暗いフロアで呼吸を繰り返す。
メモに書かれた文字を虚な瞳で見つめる。
見覚えのある番号の並び。
スマホに番号を打ち込むことはしないまま、
直接、スマホの連絡先一覧から「糸」をタップする。
登録された番号と、紅華の手書きの文字が重なった。
