僕の雨になって

「どこか行きたいところある?」

「そうだなぁ」

「特に決まってないなら少しお散歩しない?中央公園の桜が見頃なんだって」

「いいね」

「こーちゃんは花粉症、平気?」

「ぜーんぜん」

「良かった」

中央公園は坂を五分くらい登った先にあって、
目の前に私が通っている高校がある。

部活動に所属していないから春休みに入ってからは
高校の近くまで来ること自体が久しぶりだった。

自宅から高校までは三十分くらいかかるし、
休みの日にわざわざ学校を見たいわけでもないし。

中央公園は歩道と園内を囲うようにフェンスが張り巡らされている。

フェンス沿いに何本もの桜の木が植えられていて、
SNSで見た通り、ほぼ満開を迎えていた。

お花見をしている人達も割と居て、
私達はたまたま空いていた木製ベンチに並んで腰を下ろした。

「こーちゃん、改めてお誕生日おめでとう」

「ありがと」

「十九歳になったの?」

「そー。もうおじさんの手前」

「もう。怒られるよ」

「あはは」

「これ」

「わ。もしかしてプレゼント?」