僕の雨になって

「やっぱりって何…、琉真?どうしたの私…今、」

「糸。今はゆっくり説明してる時間が無いからごめんだけど、俺の言うことを聞いてくれる?」

「どういうこと…」

「お願い。後で絶対にちゃんと説明するから。総合病院なんだけど、知ってるよね?」

琉真が告げた院名は紅華が肺を患った時に入院していた病院だった。

「知ってるけど」

「今から来れる?糸の家からだとバスと電車の乗り継ぎで四十分以上かかっちゃうからできればタクシーで。料金は着いた時に俺が払うから心配しないで。できるだけすぐに来てほしいんだ」

「琉真、怪我でもしちゃったの?何があったの、大丈夫…」

「紅華のことだよ!」

「……え、コウカ…?」

「糸、分かるよね?紅華の話を今してるんだよ」

心臓が撃ち抜かれたみたいにドクンッと大きく脈打って、
首元をグッと絞められたみたいに、じょうずに呼吸ができない。

紅華?

なんで琉真が紅華の話をしているの?

琉真は今、あの総合病院で私を待っている。
本人が怪我をしたり病気になったわけではない。
琉真の近くに恐らく紅華が居て、
紅華が昨晩、私に送ったメッセのことも、繋がらない連絡も、
答えは琉真が全部知っているのかもしれない。