僕の雨になって

十二月二十五日。
クリスマス。

フレンチレストランのホールでバイトをしている琉真は、
予約でいっぱいのお店を休むことができなくて、今日もバイトに向かった。

バイト先に着くまでの短い時間で電話をした時に、
「イベントのたびに一緒に居られなくてごめん」って本当に悲しそうな声で言った琉真がなんだか可愛かった。

「帰りは遅くなるの?」

「定時には上がりたいけどねー。今日は後片付けも大変だろうし。遅くなるかも。終わった後さ、ちょっと友達のとこ行くかもなんだ」

「そうなんだ?」

「俺の兄貴とも絡みあるんだけどさ。三人で会うのは久しぶりだから」

「男だけのクリスマスパーティーだね」

「頼むー。日付変わっててくれー」

「あはは。バイト、頑張ってね」

「ありがとう。糸のおかげで頑張れます」

琉真には会えないけれど穏やかなクリスマスの日中だった。

夜には無事にバイトを上がれたことと、
もうヘトヘトって、キャラクターが大粒の涙を流しているスタンプをメッセで送ってきた琉真を友達のおうちに送り出して
私はベッドで漫画を読んだりしているうちにウトウトしだした時だった。

琉真から最後にメッセが届いてから三時間は経っていた。
夜中の一時を過ぎている。
冬休みに入ってから夜更かしが習慣化してしまって、まだ浅い眠りにも辛うじて就いていない状態だった。

枕元に放り投げていたスマホからメッセの通知音が鳴って、
琉真かなぁなんて軽い気持ちでアイコンをタップした。

「こーちゃん…?」