僕の雨になって

「じゃーね。また四人で遊ぼ」

「うん。時雨、凪くんバイバイ」

二人と別れて、家まで送ってくれるという琉真と並んで歩いた。

まだ十九時を過ぎた頃だったけれど、
夏と違ってすっかり夜になっている。

「今日のこと、ほんとに気にするなよ?」

「ううん。気にしなきゃだめなんだよ。琉真に対して不誠実なことは本当だから」

「そのうちでいいんだよ。あれ、もしかしてこれが真実の愛なんじゃない!?って気づき始めた時に俺らは本当の恋人になっていけるんだと思うよ」

「なんでそこまで言ってくれるの」

「んー。なんでかなぁ。たぶん俺も糸のこと本当に好きになってきてるんだろうね」

「え、好きでもなかったの?」

「あはは。いじわるな冗談ですよ。でもまだ″心から愛してる″とは言えないじゃん」

「それ言えたらさすがに驚いちゃうよ」

「でしょ。だから二人で成長しようよ。一緒に、のんびりとさ」

「はい」

冷たい風が琉真の髪の毛を撫でる。

髪、伸びたなぁって思った。

街灯の下。
端正な顔立ちだと思った。

わざとみたいに不自然に立ち止まった琉真に腕を引かれて、その顔を見上げたらそっと触れるだけのキスをされた。

「糸、好きだよ。これはほんと」

「うん。私も好き」

もう一度触れたくちびるが離れた時、
琉真は泣き出しそうな目をしていた。