僕の雨になって

「さっきは本当にごめん」

「時雨は何も悪くないじゃん。全部言う通りだったから反発したくなっちゃってさ。母親に対する反抗期みたいだよね。ガキでごめん」

「琉真くんの気持ちのことだけで糸のことは考えてあげられてなかったよね」

「普通はそうだよ。琉真を大切に想うならこーちゃんとは会ったりするべきじゃないし、こーちゃんを忘れることができないのなら琉真とは付き合っちゃだめだった」

「でも自分ではどうしようもなかったんだよね」

「琉真に甘えちゃってるよね。こんな恋人関係は非常識だって分かってんのに。琉真が言ってくれることに寄り掛かり過ぎてるっていうか…。そもそもこーちゃんとの繋がりだって変なのに。お互いが居なくなった未来でも、与え合った幸せの経験則がきっとこれからの二人を生かしてくれるって…、詭弁でしかないよね。だって結局逃げてんだもん。こーちゃんはまた酷く傷つかないでいいほうに。私はこーちゃんの苦しみを、もし救ってあげることができなかった時の地獄から。私は…どうしたってこーちゃんのことが好きなんだよ。琉真に″やっぱり無理でした″なんて言ってしまう未来も簡単に想像できる。そしたら琉真のこともいっぱい傷つけちゃうのに。だったら今すぐ別れるべきなのに。それでさ、こーちゃんには今も未来も私が居るから大丈夫だって、全部一緒に抱えるから大丈夫だって言えることが本当の強さなのにね。私達の問題に琉真を巻き込んで、許されるわけないよ」