「何やってんの」

「この上になら火が落ちても大丈夫でしょ。なるべく怒られない為の最善策」

ニッとハニかむこーちゃんの顔が大好き。

「やっぱり怒られたくないんだ」

「糸ちゃんのことは守りたいからねぇ」

「ここでやるの?今から?まだ明るいよ」

「普通じゃないことのほうが記憶に焼きつくでしょ」

「そうかもね」

「あれ、でも火は?こーちゃんも未成年…っていうか煙草も吸わないし、ライターとか持ってないでしょ?」

いたずらっ子みたいな目をしたこーちゃんがポケットから小さい箱を取り出した。
カシャッと音が鳴った。
箱には鶴が描かれている。

「マッチ?」

「おばあちゃんがくれた」

「いつの間に」

「あのおばあちゃんもヤンチャが好きなんだろうね」

「ほんとだね。共犯者だ」

「共犯者?」

「うん。共犯者」