「糸ちゃん」
「ん?」
「線香花火しよっか」
「え、できるの?この辺はどこでやっても怒られるんじゃないの?」
「線香花火くらい大丈夫だよ。怒られるリスクより楽しいほうがよくない?」
「怒られないほうがよくない?」
「怒られることを怖がってたらなんにもできなくなっちゃうよ。人ってね、人が楽しいことやってると怒りたくなっちゃうんだ。羨ましいんだよ。世の中にはルールが多過ぎるから。常識人であればあるほど、″遊び″がヘタクソになっていく。行き過ぎた遊びはだめだけどね。だからね、怒られることを怖がってたら経験できるはずの楽しいが激減しちゃうんだよ」
「兄ちゃんの言う通りだ」
「おばあちゃんまでー…」
兄ちゃん、と言ったおばあちゃんの表情を見た。
自分が言ったことにも目の前の紅華にも
違和感なんて抱いていない、穏やかな表情を。
紅華もまた、正しい世界に立っているような晴れやかな表情だった。
「ん?」
「線香花火しよっか」
「え、できるの?この辺はどこでやっても怒られるんじゃないの?」
「線香花火くらい大丈夫だよ。怒られるリスクより楽しいほうがよくない?」
「怒られないほうがよくない?」
「怒られることを怖がってたらなんにもできなくなっちゃうよ。人ってね、人が楽しいことやってると怒りたくなっちゃうんだ。羨ましいんだよ。世の中にはルールが多過ぎるから。常識人であればあるほど、″遊び″がヘタクソになっていく。行き過ぎた遊びはだめだけどね。だからね、怒られることを怖がってたら経験できるはずの楽しいが激減しちゃうんだよ」
「兄ちゃんの言う通りだ」
「おばあちゃんまでー…」
兄ちゃん、と言ったおばあちゃんの表情を見た。
自分が言ったことにも目の前の紅華にも
違和感なんて抱いていない、穏やかな表情を。
紅華もまた、正しい世界に立っているような晴れやかな表情だった。
