自然と繋いでいた琉真の手はあたたかい。
冷房が効いているからなのか、琉真の手だからなのか、
あったかい手が心地良かった。

「琉真」

「んー」

「来週の日曜日、こーちゃんと遊んできてもいい?」

「二人で?」

「うん。退院以来会ってないし体調も心配だから」

「いいよ」

「いいの?」

「だって俺が幼馴染と会うことだって糸は快諾してくれたじゃん。しかも糸の大切な誕生日なのに。それにさ、そこの関係に口を挟むのはちょっと違う気するしな」

「ありがとう」

「楽しい話あったらまた聞かせてよ」

「うん」

「そろそろりんご飴冷えたんじゃない?食べる?」

「うん」

琉真が立ち上がって、繋いでいた手も離れた。

少し、寂しいって思った。

「はい」

「ありがとう」

琉真はりんご飴に被せられていたビニールを外して持ってきてくれた。
細かい気配りまで本当に優しい人だと思った。