生まれてすぐに捨てられた千尋は孤児として育てられた。
その生活は貧しく、厳しい制限もあり、同じ孤児が集められる施設では覇気も笑顔も失われてしまった子供がたくさんいた。

そんな中、4才で今の家族に恵まれた千尋はみんなの羨望のまなざしを受けながら施設を出たのだ。
千尋だって、家族ができた喜びとこれからの未来に期待して心躍らせていた。

それが、現実は義理の母や姉は奴隷のように使える人間を欲していただけだったのだと、今ならわかる。
あの頃から千尋は休むことなく働き詰めなのだから。

それでもここを出るわけにはいかない。