「放浪癖のある自分にどうも似ていると思ったんだ。そういうことか」
三者三様につぶやき、義理母への怒りを募らせる。

「ところであなたはどうして義理母に会うつもりだったの?」
元旦那に聞いてみれば「いや、あの女のことはどうでもよかった。ただ、ミツに会いたくてね」と、頭をかいた。

いくら離縁した女の子供でも、自分の子供である以上ほうってはおけない。
金だけ出して知らん顔していることが気がかりだったらしい。

けれど義理母に連絡を入れれば来るなと突き返されてしまう。
だからこうしてお忍びでやってきたみたいだ。

「あの子のことも助けてやらなきゃいけない」
元旦那は真剣な表情でそうつぶやいたのだった。