「いいえ。あなたのせいじゃありません。だけど私も人間です。傷つけられれば痛いし悲しい。それをあの人たちは理解していません」
「そうだな。君に行き場がないのならあいつらをどうにかしないといけない」

男はそう言って考え込むそぶりを見せたけれど、すでにふたりの間では話ができていた。
義理母の男は外にまだ何人かいるらしい。
その男たちと結託して義理母をこらしめてやるのだ。

ミツに関してもほっとくわけにはいかないが、義理母とふたりで暮らしている間にひどく刷り込みをされた部分もあるのでしばらく様子を見ることになっていた。
そうして最初に訪れたのは街で評判の仕出し屋だった。