男がスーツのポケットから取り出したのは一枚の家族写真だった。
セピア色のそれには3人の人物が映っている。
ひとりはもっと若いころの男。
その隣にふくよかな女性、これは義理母で間違いない。
そして義理母の腕には赤ん坊が抱かれている。
これはミツだろう。
「昼間君と一緒にミツがいるのを見て驚いたよ。あの気性の粗さは母親譲りだね」
男が目を細めて笑う。
「あの、それならなぜ声をかけなかったんですか?」
「まだ仕事が残っていたからだよ。娘との再会は明日果たそうと思っていたんだけれど……」
そこまで言って男の視線が千尋の足へと向かった。
正座のままではふとももが痛いので、少し崩している。
セピア色のそれには3人の人物が映っている。
ひとりはもっと若いころの男。
その隣にふくよかな女性、これは義理母で間違いない。
そして義理母の腕には赤ん坊が抱かれている。
これはミツだろう。
「昼間君と一緒にミツがいるのを見て驚いたよ。あの気性の粗さは母親譲りだね」
男が目を細めて笑う。
「あの、それならなぜ声をかけなかったんですか?」
「まだ仕事が残っていたからだよ。娘との再会は明日果たそうと思っていたんだけれど……」
そこまで言って男の視線が千尋の足へと向かった。
正座のままではふとももが痛いので、少し崩している。



