ミツにはすでに話をしているからごまかすこともできない。
千尋は力の抜けた声で今日の出来事を説明した。

すると義理母は目を輝かせて「この靴は相当いい品だよ」と、舐めまわすように千尋を見つめる。
その顔を見ると嫌な予感で体温が下がっていく。

「その男をもう一度捕まえておいで。今度は逃がすんじゃないよ」
すっくと立ち上がった義理母が無理やり千尋を立たせて、歩かせる。

少し動くたびに太ももに傷がズキルズキリと脈打った。
だけどそんなことおかまいなしにボロキレへと着替えさせられてしまった。
傷口は包帯をぐるぐる巻きにされただけの状態で外へと放り出されてしまったのだ。