けれどひとまず座れることに安堵して店先の椅子にこしかけた。
店内からすぐに40代後半くらいのふくよかな女性が出てきて注文を聞いてきた。

「私はあんこ団子とみたらしね。あんたは?」
「私は……日本茶を」
とても食べる気にはなれなくて飲み物だけを注文した。

千尋の足元にはミツが購入した山のような紙袋が積み重なっている。
街へ出ることで気分転換になると思っていたけれど、これほどの荷物を抱えて家に戻ることを考えると素直についてきたことを後悔しそうになる。

ミツはまだまだ買い物を続けるつもりだろうし、体力が持つだろうか。
少し座ってお茶を飲んでいる間に、ミツはあっという間にだんごを平らげてしまった。