あんな風に立たされていれば気にして声をかけてくれる人は沢山いる。
けれどその風貌だけで舌打ちされたり、汚いものを見るような目で見られることだってある。

そんなときは千尋の心に死にたいという欲求がわいてくるのだ。
それで得た金でミツが豪遊しているのかと思うと吐き気すらした。
とたんに気分転換所ではなくなった千尋は大量の荷物を持たされながら休憩できる場所を探した。

ちょうど近くに団子屋がある。
ミツも疲れてきたころだろうから座らせてもらえればいいけれど。

「お姉さま、少し休憩しませんか?」
「そうね。ちょっと疲れてきたかしら」
すべての荷物を持たせておきながらふぅと大げさなため息を吐き出す。