「今日は沢山買い物をするから、覚悟しておいてね」
「は、はい」

一体なにをどれほど買うつもりなのかと不安に感じていると、街についたとたんその不安は的中した。
ミツは洋服だけでなく、西洋の小物にも興味を示して店で見るものすべてを手に取って気に入ったものをどんどん購入していくのだ。

義理母はこれほどのお金をミツに渡して大丈夫だろうかと、また別の不安が湧き上がってくる。
「あんたがこの前捕まえた男ね、かなりの金持ちだったみたいよ。それで沢山お金が手に入ったんだって」

わざとボロキレを着せられて裏通りに立たされた時の記憶がよみがえってくる。