「吏那、手を出せ」

「何ですか? あっ……椎名先輩のネクタイピン?」

「ブレザージャケットの内ポケットに入ってた。本当はあの日に渡すつもりだった」

「嬉しいです! 新学期から制服のリボンにつけますね」

「勝手にしろ」

「大好き、椎名先輩」





【その瞬間、君は世界に対して無防備になる】end