その瞬間、君は世界に対して無防備になる。

 
 どうして俺の心臓は今日も動いているのだろう。

 母親の胎内で息吹いた生命とともに動き始めた心臓は胎児の頃から止まることなく動き続け、この世に生を受けたら、否応なしに人の世の仕組みに適応していかなれけばならない。

 6歳の誕生日を迎えた4月には小学校に入学し、6年間過ごした後に中学へ。
 手間暇かけて、大人になり、大人になったら社会に酷使され…。
 人の一生とはめんどくさいことだらけだと思う。
 
 そこに俺の意思が介在しているわけでもない。

 毎日毎日、退屈すぎて、一度眠りについたら目覚めなくても構わないと思う。

 それでも俺の心臓は今日も動き続けていて、決まりごとのようにアラームが鳴ったら目を覚まし、制服を着て高校にいかなければならない。