次の月曜日はまた大学の掲示板の前で落ち合った。

 ふたりでしゃぶしゃぶの食べ放題の店に行った。もちろん茅野のおごりだ。

「ランチタイムは安いんだから、遠慮しないで」

 小遣いはふんだんに与えられているらしい。今日も細い背中に、重たげなリュックをしょっていた。

「どうする? もう一人前、肉もらう?」

 肉の入っていた重箱風のケースが黒いテーブルにたかだかと積み上がっていた。秀幸が「もらおう」と答えると、茅野はちょっと恥ずかしそうに笑った。

「僕はもう肉より、甘い物が欲しいな」
「デザート?」
「うん。とってくる」

 うかれた様子で席を立った。

 半個室、と呼ぶのか従業員の出入りする部分だけが空いた小部屋だった。壁付けされたコの字型のソファに座った秀幸の前では、トマト鍋の赤いスープと京風昆布だしの透明のスープが、二つに仕切られた鍋の中で湯気をあげている。

 やがて茅野が戻ってくると、小さなガラス器にまんまるに白いソフトクリームが盛られていた。

「ソフトクリームって、もっとこう、タテにねじねじするんじゃないの?」
「見てて」

 そう言って、別の皿に持ってきたコーンフレークを二つ刺した。チョコスプレーで目鼻をつける。