君の膝の骨になりたい

 たぶん、モテたくてスポーツを始めたような奴だっているだろうに。毎日身をすり減らすような練習のあとに、何かに情熱を注げるような気力は持っていない。それをうまくごまかせるほどの器用さも持ち合わせていない。

 衝動的な性欲をしずめるそれなりの方法があれば、それ以上ぜいたくは言わないつもりだ。でもそんな都合のいい相手はなかなかみつからない。

 身勝手極まりない。

 世間一般の恋愛観から言えば、自分たちの考え方はひどくゆがんでいて、わがままなことなのだろう。

「小野寺くんは、自分のやってることを邪魔されたくないんだ」
「そうだな」

 茅野は少し失望したようにうつむいた。

 突然、軽快なメロディーが響いた。ジャージのポケットに入れていた携帯電話だ。茅野が目線でうながし、秀幸は取りだして内容を確認した。

「チームメイトが待ってる?」
「いや、今日はいいんだ」
「でも……」
「お前には関係ない」

 ゲイビデオの鑑賞会には参加できない、と返信をうった。

「そういえば、大学決まったんだろ、おめでとう」

 携帯電話から顔を上げると、茅野は話題を変えて明るい声を出した。

「女の子たちが騒いでて、聞いちゃったんだ」
「ああ、修教大に」