朝、私は慌てた。
警察に、行こうと思ったからだ。ー昨日消えた姫が、まだ戻ってきていない。
もう24時間経っている。警察に行ってもいいだろう。
どこに行ってしまったのだろう…
心配で心配でたまらなくなった。
「えっと…マップはー」
大きな警察署に行くのは、お母さんとお父さんが亡くなったとき以降だ。
ダメ。今、そんなことを考えている場合じゃない。
急いで家を出ようとした。
その時だった。
「日葵ちゃ~ん!ごめ~ん。ほんっとうにごめ~ん😢心配したぁ?」
「どこ行ってたの!」
姫を叩いてしまった。
「街を…ぶらぶら歩いてたよぉぉ~(泣)」
「夜も?」
「そう!夜もぉぉ~」
「遅い時間まで街にいたの?」
「うん(´;ω;`)ごめんなさぁ~いぃぃぃ」
「渋谷の夜は危ないって言ったじゃん!言うこと聞きなさいよ!」
泣きそうになっている姫は、いつもより、三倍頼りなかった。
「姫、何してたの…もう!あぁ戻ってきてよかった。」
私まで泣きそうになる。泣きじゃくった妹の頭を撫でた。
「ごめんなさぁぁいぃぃ~許してください、許してください!」
「ゆ、許すけど」
久しぶりに、姫のことが愛おしくなった。ずっと、嫉妬ばかりしていたから。
でも、妹だ。どんなに完ぺきで、素晴らしくても、こんな私の妹だ。
私、馬鹿みたいだ。
自分の妹を愛せないなんて。目の前の現実から目を背けちゃダメだ。
改めて、そのことに気づいた。
必死に抱き着いてくる姫が、かわいくてたまらなくなった。