私、相沢姫莉はムカついて家から出たっ♡
だって、あの子、部外者なのに「センター譲れ」?ありえな~い
私が、センターなのにぃ~(怒り)😠
普通にあの子、結構歌うまいし、頑張ってメイクすれば、可愛くなれると思うけど、全然アイドル向いてませ~ん(べ~)
由梨にゃんも、あかりんも可愛いけど、やっぱりセンターは私だよねっ?
ドラマも、雑誌の表紙も、ぜ~んぶ私っ!当たり前じゃん。
センスない子は秒でつぶれるんだよ~
アイドルって、結構厳しい世界なの~もちろん、ファンもいれば、アンチもいるし~
アンチなんか、居なくなればいいのに~(ウフフ)
私、実は、ある目的があって家から出たんだよね~
「ねぇ、蒼空くんっ💕今日のデートはどこにする~?ホテル行っちゃう?蒼空くん、大好きだよっ(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
私は、蒼空くんに抱きついた♡
「姫莉、俺も好き」
きゃあ~💘強く抱きしめられた~嬉し~(*´ω`*)
「今日は、俺んち泊ってく?」
「え~いいの~?やった~💖嬉しい!行こっ!(^^)!」
私は、蒼空くんの手を繋いで一緒に歩いたっ!

「姫、帰ってこないな…どこに行ったんだろう。」
もう、十時を過ぎたのに、姫はまだ帰ってこない。行先をたずねればよかった。
「そうだ、電話!忘れてた。電話なら…」
「ただいま、『姫』さんは電話にでることができません」
電話にもでない?どういうことだ。まさか、危ないことに巻き込まれてるんじゃ…
「もしもし、姫莉だけど~。」
「姫っ!どこにいるの!心配したんだから、早く帰ってきなさい」
「嫌だよ~!今は、日葵ちゃんに会いたくないもんっ」
「分かったけど、今、どこにいるの」
「ねぇ、姫!ちょっと、姫!」
ブチっ。電話が、切れた。
「どこにいるのよ、全くもう!」
スマホをベッドに投げ捨てる。姫、お願いだから帰ってきてよ…
私は、ベッドに思いきり寝転がった。
「姫。私、姫を怒らせちゃったよ…ごめん、ごめん…許してっ」
必死にベッドにしがみついた。そうすると同時に、『あの時』の光景が浮かんでくる。
響くブレーキ音。悲鳴。そして、倒れてくる木。
自分が自分ではないような、そう思ったあの『瞬間』。二度と思い出したくない。でも、思い出してしまう。
むなしくて、悲しい自分に吐き気がした。
やっぱり、私はただの『邪魔者』ということに気づいた。