「姫、どこ行っちゃったのかな…」
電話をかけても出ない。メールもそうだ。
だけど、姫を探す気力がない。そんな私がみっともない。
なんとなく心の支えが欲しい気がする。愛花に、話そうかな。
でも、言えないよ。姫のこと言ったら、絶対愛花は悲しむ。
最初から言えばよかったな。「私は姫理の妹」って。
「お腹すいた…。コンビニ行こう」
ご飯を作ることすらめんどくさい。何もかも憂鬱。
マンションの裏通りからスクランブル交差点の方に行くと近い。
私は階段を下りた後、少し薄暗い裏道を歩いた。
居酒屋が何件かあるかぐらいの細くて小さな裏道。道には缶コーヒーが転がっている。
誰かが捨てたのだろうか。
「はぁ。なんでこうなんだろ」
独り言が静かな空気に響く。「からん」と小さな音がして風鈴が鳴った。
ざわざわしている大通りに行っても風鈴はあるけど、綺麗な音は聞こえない。
人込みで消されてしまうからだ。
「ふぅー」と寒い風が吹いた。風鈴が「からんからん」と揺らされている。
特に何もすることもなく、ポケットに手を入れる。
コンビニまであと少しだ。ここはアクセスがいいから。
「日葵?」
「ぎゃあ!」
誰かの声がして、私は派手に転んでしまった。
「びっくりした…。翔?」
「日葵も裏道、使うんだね~!やっぱり、こっちの方が近いもんね」
驚いている私の目をチラッと見つめた後、翔は私に手を差し出した。
「ほい。どこ行くの?」
翔に起こしてもらって、私は立ち上がった。
「痛かった?だったらごめん」
「ううん。ちょっとだけ。全然痛くない」
「コンビニ行くの?」
「うん」
「俺も!一緒に行こ」
私は翔と一緒にコンビニに行った。
まだ、寒い風が吹いている。
電話をかけても出ない。メールもそうだ。
だけど、姫を探す気力がない。そんな私がみっともない。
なんとなく心の支えが欲しい気がする。愛花に、話そうかな。
でも、言えないよ。姫のこと言ったら、絶対愛花は悲しむ。
最初から言えばよかったな。「私は姫理の妹」って。
「お腹すいた…。コンビニ行こう」
ご飯を作ることすらめんどくさい。何もかも憂鬱。
マンションの裏通りからスクランブル交差点の方に行くと近い。
私は階段を下りた後、少し薄暗い裏道を歩いた。
居酒屋が何件かあるかぐらいの細くて小さな裏道。道には缶コーヒーが転がっている。
誰かが捨てたのだろうか。
「はぁ。なんでこうなんだろ」
独り言が静かな空気に響く。「からん」と小さな音がして風鈴が鳴った。
ざわざわしている大通りに行っても風鈴はあるけど、綺麗な音は聞こえない。
人込みで消されてしまうからだ。
「ふぅー」と寒い風が吹いた。風鈴が「からんからん」と揺らされている。
特に何もすることもなく、ポケットに手を入れる。
コンビニまであと少しだ。ここはアクセスがいいから。
「日葵?」
「ぎゃあ!」
誰かの声がして、私は派手に転んでしまった。
「びっくりした…。翔?」
「日葵も裏道、使うんだね~!やっぱり、こっちの方が近いもんね」
驚いている私の目をチラッと見つめた後、翔は私に手を差し出した。
「ほい。どこ行くの?」
翔に起こしてもらって、私は立ち上がった。
「痛かった?だったらごめん」
「ううん。ちょっとだけ。全然痛くない」
「コンビニ行くの?」
「うん」
「俺も!一緒に行こ」
私は翔と一緒にコンビニに行った。
まだ、寒い風が吹いている。



