「姫、今度こそ、行ってくるね」
蓮のせいで、超ミニスタバ計画が一時中止となったので、私はもう一度外に出た。
雪は降っていなかったが、とても寒かった。
背筋がゾワっとしたのでコートを羽織る。
人混みがうるさくて、眉をひそめた。なんだろう?
「馬鹿だね、アンタ」
女の人の怒鳴り声が聞こえて耳をふさいだ。
「違う、俺は!」
路上で喧嘩でもしているのか。少し迷惑だけど、行き先が決まっているので、先を急いだ。
女子高生の騒ぐ声が聞こえた。
「ドラマの撮影やってる!」
「すごっ」
「こんなところでやるんだね~」
歩いていた女の子の声で初めて分かった。
「撮影…こんなところでやるんだ」
へぇ〜と思ったけど、不意に冷たい風が吹いて、気持ち悪くなった。
空は相変わらず曇っている。
「きゃあ!」
女の人の悲鳴を聞いて、思わず振り返ってしまった。あ、撮影か。
ースターバックスコーヒー・渋谷店。私は店員さんに注文をする。
「ご注文は…」
「ピーチフラペチーノと、カフェモカください。」
「追加のご注文はありませんか。」
「あ、はい。大丈夫です」
注文を済まして家へ帰る途中、蓮のことを思い出した。でも、考えても惨めなだけだ。
ビニール袋を握る手に力が入って、手が痛む。何とかこぼさないようにした。
今年で何回目だろう。この風景。
「重い…。あ、姫、待ってるかな。」
独り言がやけにうるさく感じて嫌気がさした。
マンションに帰ると、姫が慌てた様子で、私のところへ駆けてきた。
「ひまりちゃんっ!翔だよ!翔が帰ってきた~!」
「えっ?翔は、オーストラリアにいるんじゃ…」
部屋のリビングに、誰かがいた。見覚えのある横顔。薄い茶髪とおしゃれな服。
「あ~っ!日葵じゃん!久しぶり~」
か、かかかかかかかっかかかか、翔~⁉
蓮のせいで、超ミニスタバ計画が一時中止となったので、私はもう一度外に出た。
雪は降っていなかったが、とても寒かった。
背筋がゾワっとしたのでコートを羽織る。
人混みがうるさくて、眉をひそめた。なんだろう?
「馬鹿だね、アンタ」
女の人の怒鳴り声が聞こえて耳をふさいだ。
「違う、俺は!」
路上で喧嘩でもしているのか。少し迷惑だけど、行き先が決まっているので、先を急いだ。
女子高生の騒ぐ声が聞こえた。
「ドラマの撮影やってる!」
「すごっ」
「こんなところでやるんだね~」
歩いていた女の子の声で初めて分かった。
「撮影…こんなところでやるんだ」
へぇ〜と思ったけど、不意に冷たい風が吹いて、気持ち悪くなった。
空は相変わらず曇っている。
「きゃあ!」
女の人の悲鳴を聞いて、思わず振り返ってしまった。あ、撮影か。
ースターバックスコーヒー・渋谷店。私は店員さんに注文をする。
「ご注文は…」
「ピーチフラペチーノと、カフェモカください。」
「追加のご注文はありませんか。」
「あ、はい。大丈夫です」
注文を済まして家へ帰る途中、蓮のことを思い出した。でも、考えても惨めなだけだ。
ビニール袋を握る手に力が入って、手が痛む。何とかこぼさないようにした。
今年で何回目だろう。この風景。
「重い…。あ、姫、待ってるかな。」
独り言がやけにうるさく感じて嫌気がさした。
マンションに帰ると、姫が慌てた様子で、私のところへ駆けてきた。
「ひまりちゃんっ!翔だよ!翔が帰ってきた~!」
「えっ?翔は、オーストラリアにいるんじゃ…」
部屋のリビングに、誰かがいた。見覚えのある横顔。薄い茶髪とおしゃれな服。
「あ~っ!日葵じゃん!久しぶり~」
か、かかかかかかかっかかかか、翔~⁉



