「この度はご迷惑をおかけしまして申し訳ございませんでした」
姫と蓮と一緒に、事務所に謝りに来た。
「お前らのせいで評判が悪くなった。これを見ろ」
なんと、あの人だかりにいた人が、修羅場の動画を撮って、SNSにあげてしまったのだ。
コメント欄には[やっぱり、付き合ってるんじゃない♡][日葵ちゃんって何者よ⁉]などなど。
うん。ヤバいことになった。
「テレビニュースにもなるそうだ‼日葵ちゃんのこともな!」
にらまれて、目を伏せる。確かに、あの時私が間に入っていなかったら…
大事にはならなかったかもしれないし、バレなかったかも。
「日葵は悪くありません。俺と姫理が悪いです」
「蓮はなぜ日葵ちゃんをかばう!」
「元彼だからです」
「は…?」
社長、ただいまフリーズ状態でございます。
「も、ももも元彼って…付き合ってたっていうこと?」
「社長のとこに行く前は、付き合ってました。な?日葵」
「う、うん。1年ぐらい…」
「うっそだろ…」
「本当ですよ。俺が嘘ついても意味ないですし。」
姫莉は知っているので、驚く様子もなく、ニヤニヤ笑っている。怖い。
「どうして、別れたんだ」
社長は落ち着きを取り戻して蓮に聞いた。
「それは…俺じゃわからないです」
もちろんだ。私は別れた理由を蓮に言っていない。
「私が、悪かったんだと思います」
「は?どういうことだよ、日葵!」
蓮が珍しく動揺している。最低だ、私。
「蒼空くん、みたいになりたかったんでしょ。みんなのアイドルに。」
蓮は首を縦にふった。
「実際、蓮は、トップアイドルになってる。だけど、私たちが付き合ってたらなれなかった」
「だ、だけど…メディアに隠せば…」
「いつかバレるよ。だから、蓮には私なんかより夢を優先してほしかったんだ、私。」
極秘で付き合ってたアイドルだって、いつかはバレる。大騒ぎになる。
そして、いつか忘れられる。
それだけは避けたかった。蓮が世間に忘れられることだけは避けたかった。
「なんだよ、その理由。俺がアイドルやめればいいじゃないか」
「それだけなの?」
「は?」
「蓮がアイドルを頑張ってる理由はないの?ただ、私と付き合いたいだけなの?ファンに楽しんでもらいたい。国民的アイドルになりたい。今よりもっと有名になりたいとか。そういう目標はないの‼」
ほとんど叫んでいた。必死だった。想いを伝えたかった。
「目標…あるよ。いっぱい。でも」
蓮は一瞬だけ、ひるんだようだ。私の涙が服に染みる。
ぽとり。ぽとり。一滴ずつ私の顔に零れ落ちる。
「言ってよ、続きを。聞いてあげるから」
「日葵はずるいな。いつまでも日葵だ。いつまでも大好きな日葵だ」
「馬鹿!」
「…」
「そうやって、逃げてばかりだったら私みたいになる!蓮は頑張れる!おどおどしない!」
「そんなの、お前の勝手なイメージじゃないか。俺は知らないよ、自分を」
「自分が自分を知らない?何言ってるの!自分が一番知ってるじゃん!」
「何をだよ!」
「誰よりも大胆で、甘えん坊で、努力家で、カッコいい蓮を自分が一番知ってるじゃん‼」
言い切った。頑張ったよ、私。全部言ったよ。
子どものように泣きじゃくる私を、姫莉は、優しく抱きしめてくれた。
「よく、言えたね」
姫と蓮と一緒に、事務所に謝りに来た。
「お前らのせいで評判が悪くなった。これを見ろ」
なんと、あの人だかりにいた人が、修羅場の動画を撮って、SNSにあげてしまったのだ。
コメント欄には[やっぱり、付き合ってるんじゃない♡][日葵ちゃんって何者よ⁉]などなど。
うん。ヤバいことになった。
「テレビニュースにもなるそうだ‼日葵ちゃんのこともな!」
にらまれて、目を伏せる。確かに、あの時私が間に入っていなかったら…
大事にはならなかったかもしれないし、バレなかったかも。
「日葵は悪くありません。俺と姫理が悪いです」
「蓮はなぜ日葵ちゃんをかばう!」
「元彼だからです」
「は…?」
社長、ただいまフリーズ状態でございます。
「も、ももも元彼って…付き合ってたっていうこと?」
「社長のとこに行く前は、付き合ってました。な?日葵」
「う、うん。1年ぐらい…」
「うっそだろ…」
「本当ですよ。俺が嘘ついても意味ないですし。」
姫莉は知っているので、驚く様子もなく、ニヤニヤ笑っている。怖い。
「どうして、別れたんだ」
社長は落ち着きを取り戻して蓮に聞いた。
「それは…俺じゃわからないです」
もちろんだ。私は別れた理由を蓮に言っていない。
「私が、悪かったんだと思います」
「は?どういうことだよ、日葵!」
蓮が珍しく動揺している。最低だ、私。
「蒼空くん、みたいになりたかったんでしょ。みんなのアイドルに。」
蓮は首を縦にふった。
「実際、蓮は、トップアイドルになってる。だけど、私たちが付き合ってたらなれなかった」
「だ、だけど…メディアに隠せば…」
「いつかバレるよ。だから、蓮には私なんかより夢を優先してほしかったんだ、私。」
極秘で付き合ってたアイドルだって、いつかはバレる。大騒ぎになる。
そして、いつか忘れられる。
それだけは避けたかった。蓮が世間に忘れられることだけは避けたかった。
「なんだよ、その理由。俺がアイドルやめればいいじゃないか」
「それだけなの?」
「は?」
「蓮がアイドルを頑張ってる理由はないの?ただ、私と付き合いたいだけなの?ファンに楽しんでもらいたい。国民的アイドルになりたい。今よりもっと有名になりたいとか。そういう目標はないの‼」
ほとんど叫んでいた。必死だった。想いを伝えたかった。
「目標…あるよ。いっぱい。でも」
蓮は一瞬だけ、ひるんだようだ。私の涙が服に染みる。
ぽとり。ぽとり。一滴ずつ私の顔に零れ落ちる。
「言ってよ、続きを。聞いてあげるから」
「日葵はずるいな。いつまでも日葵だ。いつまでも大好きな日葵だ」
「馬鹿!」
「…」
「そうやって、逃げてばかりだったら私みたいになる!蓮は頑張れる!おどおどしない!」
「そんなの、お前の勝手なイメージじゃないか。俺は知らないよ、自分を」
「自分が自分を知らない?何言ってるの!自分が一番知ってるじゃん!」
「何をだよ!」
「誰よりも大胆で、甘えん坊で、努力家で、カッコいい蓮を自分が一番知ってるじゃん‼」
言い切った。頑張ったよ、私。全部言ったよ。
子どものように泣きじゃくる私を、姫莉は、優しく抱きしめてくれた。
「よく、言えたね」



