蓮さんから勉強を教えてもらったあと、私はトイレに駆け込んだ。
「よしっ!」
今は昼休み。告白する準備はできた。
廊下に出ると、別のクラスの子がそわそわしていた。
その子は小学校の同級生で、仲が良かった子だったので、声をかけた。
「利夏ちゃん、どうしたの?」
「あっ、日葵ちゃん!久しぶりだね」
「もしかして、そのチョコ…誰にわたすの?」
嫌な予感しかしない。もし、蓮さんに恋をしている人が利夏ちゃんだったら…
利夏ちゃんはおしゃれだし、気さくな子だから、お似合いのカップルかもしれないな。
「蓮くんにわたすの!日葵ちゃん、席が隣なんでしょ。仲がいいなら呼んできてよ」
「えっ」
「おねが~い‼一生のお願いだから!」
嫌な予感が的中してしまった。私の恋心がどんどん溢れてゆく。
そして、崩れてゆく。雨のように。だんだんと。
恋なんかわからないし、私は恋をする資格すらないのかもしれない。
「わ、分かったよ。蓮さんを…呼んでくる、ね」
友達のためなら諦めなきゃいけない恋なのかもしれない。
「れ、蓮さん!」
「ん?なに?あ、四組の子だ」
どうしよう。ここで、利夏ちゃんが蓮さんに告白しちゃったら…
私の想いも、努力も、全部消えてしまう。姫から『自信を持て』って言われたのに。
その時、利夏ちゃんが言った。やっぱり、諦めるしかないのか。
「蓮くんっ!私、蓮くんのことが…」
「あ、ごめん。俺、好きな子いるから」
利夏ちゃんの言葉をさえぎって、蓮さんは言った。え?『好きな子いるから』?
う、ううう、嘘でしょ⁉ま、待ってよ!好きな子がいる?
だ、誰?まさか、私の訳ないよね⁉一旦、落ち着こう。え⁉落ち着けないよ!
「す、好きな子って…だ、誰?」
利夏ちゃんが可哀そうになってきた。せっかく作ってきたチョコなのに。
「日葵だけど」
はい?れ、蓮さん?い、今、なんて言いました?ひ・ま・りって言いました⁉?
日葵って誰の名前だろう。聞いたことあるような…って、私⁉
「わ、私?」
クラス全員が注目する。め、目立っちゃったよ。
「そう。お前」
蓮さんは、はっきり言った。
「よしっ!」
今は昼休み。告白する準備はできた。
廊下に出ると、別のクラスの子がそわそわしていた。
その子は小学校の同級生で、仲が良かった子だったので、声をかけた。
「利夏ちゃん、どうしたの?」
「あっ、日葵ちゃん!久しぶりだね」
「もしかして、そのチョコ…誰にわたすの?」
嫌な予感しかしない。もし、蓮さんに恋をしている人が利夏ちゃんだったら…
利夏ちゃんはおしゃれだし、気さくな子だから、お似合いのカップルかもしれないな。
「蓮くんにわたすの!日葵ちゃん、席が隣なんでしょ。仲がいいなら呼んできてよ」
「えっ」
「おねが~い‼一生のお願いだから!」
嫌な予感が的中してしまった。私の恋心がどんどん溢れてゆく。
そして、崩れてゆく。雨のように。だんだんと。
恋なんかわからないし、私は恋をする資格すらないのかもしれない。
「わ、分かったよ。蓮さんを…呼んでくる、ね」
友達のためなら諦めなきゃいけない恋なのかもしれない。
「れ、蓮さん!」
「ん?なに?あ、四組の子だ」
どうしよう。ここで、利夏ちゃんが蓮さんに告白しちゃったら…
私の想いも、努力も、全部消えてしまう。姫から『自信を持て』って言われたのに。
その時、利夏ちゃんが言った。やっぱり、諦めるしかないのか。
「蓮くんっ!私、蓮くんのことが…」
「あ、ごめん。俺、好きな子いるから」
利夏ちゃんの言葉をさえぎって、蓮さんは言った。え?『好きな子いるから』?
う、ううう、嘘でしょ⁉ま、待ってよ!好きな子がいる?
だ、誰?まさか、私の訳ないよね⁉一旦、落ち着こう。え⁉落ち着けないよ!
「す、好きな子って…だ、誰?」
利夏ちゃんが可哀そうになってきた。せっかく作ってきたチョコなのに。
「日葵だけど」
はい?れ、蓮さん?い、今、なんて言いました?ひ・ま・りって言いました⁉?
日葵って誰の名前だろう。聞いたことあるような…って、私⁉
「わ、私?」
クラス全員が注目する。め、目立っちゃったよ。
「そう。お前」
蓮さんは、はっきり言った。



