「ひ~ま~り~ちゃ~ん!明日はバレンタインデーだよ~🍫」
姫莉がニヤニヤして言った。何か企んでるときの表情だ。
「蓮くんに、チョコを渡しちゃう?ラブラブしちゃう?」
「う、うるさいなぁ!そんなこと、できるわけ…」
「まぁ、チョコは渡せなくても、告白はしときな!」
「だって、告白はできないかもって…」
私はうつむいた。自信がないから。
「自信を持てぇぇ‼(怒)何回も言わせないでよ!」
姫はおふざけではなく、本気で怒っている。
「で、でも」
「恋愛は魔法なんだからっ✨自信がなくても頑張るの!」
姫が超キラキラフェイスで言った。
オーラがすごい。さすがアイドル。なんて言ってる場合じゃない!
「私、頑張れるかな…?」
「日葵ちゃんならいけるよ~」
「う、うん。頑張ってみる」
挑戦する前にあきらめちゃダメだよね!
「明日、告白してみるよ」
「ファイト!応援するよ~」
頑張るって言っちゃったけど、本当に頑張れるかな…
だんだん、不安になってきた。
「不安になっちゃいけないよ!できることは頑張ろう!」
姫莉は優しいな。いつも、勇気をくれる。それに比べて私は…ちょっ、ダメダメ!
せっかく頑張ろうと思えたのにまた暗い話になっちゃう!
いちいちシュンとしている私を横目に、姫は言った。
「日葵ちゃん、サイキョーかわいいよ~カワ(・∀・)イイ!!絶対、モテるよねぇ」
「な、そんなことないよ!私が可愛いなら姫はその一億倍ぐらい可愛い!」
必死に訂正する。私が可愛いわけない…よね?
「ま~た、とぼけちゃって!どうせ、蓮くん意識しすぎてヤバい界隈の人でしょ~」
うっ、図星。はい、どうも。私、蓮さん意識しすぎてヤバい界隈の人です。
どうぞよろしくお願いいたしますッっ!
「まぁ、ちょっと…意識はしちゃうかな?っていうか、姫!今日、なんで学校で電話してきたの。気味悪がられちゃったじゃない」
「ごめ~ん!気になっただけだしぃ(泣)許してくださぁい」
姫ったら、本気で泣いてしまった。どうしよう…泣かせちゃったよ。
「姫、泣かないでよ。ごめん、怒りすぎちゃったよね」
「うっそで~す( ̄▽ ̄)」
姫がそう言った瞬間、私の頭の血管が切れた気がした。
すっごいムカつく‼
姫は私の説教を丸々三時間、せいざをしながらずっと、聞いていたのだったー。