春の風が頬にあたる。
季節はもう春になった。私、相沢 日葵は、今年で三年目になる桜の校門をくぐった。
「ひまり~」
私を呼ぶ、元気な声が学校に響く。
「あ、愛花!おはよう。」
彼女の名前は前田 愛花。私の親友だ。
天然だけど、明るくてとても優しい子だ。
「私たち、同じクラスになれるかな?」
私たちが通う学校は、一学年8クラスの大勢が通う学校だ。
「わかんな~い。でも、一緒だったらいいよね。ま、そんな奇跡—」
「「え~~~~~~~~~~~~~」」
私たちは叫んだ。
私は三組。そして、なんと愛花も三組だ。
一緒だ!
「すごいよ。ひまり、最強!」
「私は、何もしてないよ?」
なのに、愛花はにっこり笑って言った。
「ひまりが願ってくれたんでしょ?」
「そ、そうだけど…。」
愛花はもじもじしている私を置いて、校舎へと走っていった。
「ちょっと!待ってよ。」
「早く来て、ひまり!教室入るよ。」
「は、はーい。今行くよ。」
慌てて愛花を追いかける。愛花は足がとても速いから。
三年生の教室は、一番上の真ん中にある。そのため、校舎の4階まで上がり下がりしないといけない。
運動神経がいい愛花は、「対して問題ない。」と言わんばりに階段を上る。
私はもう「はぁはぁ」言っているというのに。
「着いた!」
愛花がとても大きな声で言う。鼓膜が破れそう。
決して綺麗とは言えない教室。
でも、愛花と同じ教室で勉強できるなんて嬉しいな。
だって、中学校生活最後の教室だ。
どんな教室でも嬉しいよ。