「そ、そんな…。ではお父様とお母様は最初から私を利用して」
17年間両親のもとで愛され、異能者として教養に励んだ日々の思い出は全て偽り。その全てを知った玲華は膝から崩れ落ちる。
認めたくない真実を受け止めざるを得なかった。
「もっと早く教えるべきでした。あなたは本当に一条家の両親を愛し、信頼していた。力がないからと事実を隠していた私を許してください」
深々と頭を下げる千鶴。実の妹に真実を言えば、必ず絶望させてしまう。その姿が見るに耐えなかった。だから千鶴は真実を伝えるのを怖がっていたのだ。
震える玲華を千鶴はそっと抱きしめようとした。苦しむ妹を受け止められるのは自分がいないと思ったからだ。
しかし次の瞬間、玲華は突如顔を上げて、千鶴の手を取る。掴んだ両手に異能を発動させる。手を離す際に畳に叩きつけるようにして投げ飛ばした。
「きゃ!」
倒れる千鶴。
玲は閉まっていた毒の小瓶を袖から取り出す。
「お前の言葉など信じたくないっ!!ふっ、お姉様は私が羨ましいのでしょう?異能があり、名家の令嬢として教養を身につけ、お父様とお母様から期待されているこの優秀な玲華に」
長年の偽りの愛は心を蝕んでいた。両親への執着心から抜け出せずにいた。
全ての元凶は姉である千鶴。そう考えた玲華は千鶴に牙を剥く。
「お姉様、私の前から消えなさい。貴女もう、一条家には必要ないのよ?この無能…!!」
17年間両親のもとで愛され、異能者として教養に励んだ日々の思い出は全て偽り。その全てを知った玲華は膝から崩れ落ちる。
認めたくない真実を受け止めざるを得なかった。
「もっと早く教えるべきでした。あなたは本当に一条家の両親を愛し、信頼していた。力がないからと事実を隠していた私を許してください」
深々と頭を下げる千鶴。実の妹に真実を言えば、必ず絶望させてしまう。その姿が見るに耐えなかった。だから千鶴は真実を伝えるのを怖がっていたのだ。
震える玲華を千鶴はそっと抱きしめようとした。苦しむ妹を受け止められるのは自分がいないと思ったからだ。
しかし次の瞬間、玲華は突如顔を上げて、千鶴の手を取る。掴んだ両手に異能を発動させる。手を離す際に畳に叩きつけるようにして投げ飛ばした。
「きゃ!」
倒れる千鶴。
玲は閉まっていた毒の小瓶を袖から取り出す。
「お前の言葉など信じたくないっ!!ふっ、お姉様は私が羨ましいのでしょう?異能があり、名家の令嬢として教養を身につけ、お父様とお母様から期待されているこの優秀な玲華に」
長年の偽りの愛は心を蝕んでいた。両親への執着心から抜け出せずにいた。
全ての元凶は姉である千鶴。そう考えた玲華は千鶴に牙を剥く。
「お姉様、私の前から消えなさい。貴女もう、一条家には必要ないのよ?この無能…!!」


