「な、何を言っているの?お父様とお母様とは血の繋がりがない?殺されたってどう言うことよ!?説明なさい!!」

混乱する玲華は愛用の扇子で千鶴を叩き、事実を吐かせようとする。意識が朦朧としている千鶴は痛みさえ感じなくなっていた。

「言葉の通りです。元々2人の間には子に恵まれず、異能者の跡継ぎがいないことで立場が危ういと考えた利政はお金に困っていた私たちの実の両親に大金を差出人、私たちを引き取ると申し出ました」


大金よりも子を大切にする千鶴たちの本当の両親はそれを断った。しかし焦りを感じた利政は若い夫婦の暗殺を依頼し、見事子を手に入れることが出来た。

そのうちの次女である玲華は異能を目覚めさせ、優秀な異能者として育て上げる。

婿を迎える時期になったら名家の息子を婿養子として一条家に引き込み、跡取りを絶えないようにし、いずれは組織の内部に送り込もうと企んでいた。

一条家の名を世に知らしめ、久世家を超えることを目論んでいた。

何も知らない玲華はまんまとその計画の一部として利用されていたのだ。