縁側に座る凪一の横に腰を下ろす玲華。
「今宵の月明かりは美しいですわね。共に見ることができて嬉しく思います」
(どうでもいい)
「凪一様」
甘い声色で凪一との距離をつめる。潤んだ瞳を武器に玲華は黒曜石の瞳を見つめる。
手に触れられ不快に感じるも、玲華が決定的な隙を見せるまで静かに耐え抜く。
(これだから女という生き物は好かんのだ。同じ姉妹だと言うのに、ここまで違うのか……)
何故かあの時、頭に蜘蛛の巣を付けた千鶴に触れても不快感を覚えなかったことが凪一は不思議でたまらなかった。
今まで何度も縁談をしてきたが、みな外見で人を判断し、嫌と言葉にしても容赦なく触れてくる女性をいつの頃か苦手としていた。
「顔色が優れません。もう休みましょう」
玲華が手を貸し、凪一を寝室へ連れていこうとする。
立ち上がった凪一はふと思い出す。千鶴の桜色の瞳を。真っ直ぐと自分の芯を貫く力強さ。
実の妹を助けるためなら己の身を犠牲してでも守り抜くという決意。
(あぁ、そうか。俺はもうあの時から決めていたのだな)
過酷な状況でも一切希望を見失わない千鶴の心に、凪一は心を惹かれていたのだ。
「今宵の月明かりは美しいですわね。共に見ることができて嬉しく思います」
(どうでもいい)
「凪一様」
甘い声色で凪一との距離をつめる。潤んだ瞳を武器に玲華は黒曜石の瞳を見つめる。
手に触れられ不快に感じるも、玲華が決定的な隙を見せるまで静かに耐え抜く。
(これだから女という生き物は好かんのだ。同じ姉妹だと言うのに、ここまで違うのか……)
何故かあの時、頭に蜘蛛の巣を付けた千鶴に触れても不快感を覚えなかったことが凪一は不思議でたまらなかった。
今まで何度も縁談をしてきたが、みな外見で人を判断し、嫌と言葉にしても容赦なく触れてくる女性をいつの頃か苦手としていた。
「顔色が優れません。もう休みましょう」
玲華が手を貸し、凪一を寝室へ連れていこうとする。
立ち上がった凪一はふと思い出す。千鶴の桜色の瞳を。真っ直ぐと自分の芯を貫く力強さ。
実の妹を助けるためなら己の身を犠牲してでも守り抜くという決意。
(あぁ、そうか。俺はもうあの時から決めていたのだな)
過酷な状況でも一切希望を見失わない千鶴の心に、凪一は心を惹かれていたのだ。


