口から出ることは全てその場で思いついた出任せ。凪一に怪しまれないために姉妹の関係はあくまで主人と使用人。

そしてそれは姉である自分が望んだことだと綴る。妹が異能者として常に上を目指すのをサポートして、姉はそんな妹に尽くす、美しい姉妹関係を玲華は描いていく。


「お前にとって、異能者を手助けすることは組織に貢献するということか？」

「はい。異能を持たない者は無能と扱うのが当然です。異能者として組織に貢献出来ない人間はこの世にいりません。妹は異能者として素晴らしい道を志しています」

「ほう」

「私には異能はありません。だから生きることを諦めていましたが、妹は無能な私でも組織に貢献できるように仕事を与えて下さりました。その恩を一生を捧げると約束しましたが、私には私の人生があると縁談に迷っている私の背中を押してくれた心優しい妹の思いを背負い、これからは凪一様に生涯をかけて尽くしていきますわ…！」

「…そうか。とても姉思いの妹なのだな？」

「はい…！自慢の妹です」

「そうか。話が済んだのなら、部屋から出ていけ。夕飯の時間になったら持ってきてくれ。一人で食べる」

「…かしこまりました」


（何ですの？！あの態度は！？いくら女性がお嫌いだからとはいえ、将来は異能者として頂点に立つ私にあのような態度など失礼ですわ！）